師範の購入前検討〜Roland MV-1 VERSELAB 到着前に レビュー〜
こんばんは、師範じゃ。
今回はまだ届いてもない、あまり情報も多く公開されていないRoland MV-1について
今わかっている分でレビューすることとする。
間違えていることや、届くと思ったのと違うこともあるじゃろうが、
それもまた新製品の楽しみじゃ!
Roland MV-1について
これが仕様じゃ!
主な仕様音源ZEN-Core(トーン、ドラム・キット)トラック・タイプトーン、ドラム・キット、ルーパー(オーディオ・ループ)
最大同時発音数ZEN-Core:128音(音源負荷に依存して変化)
まずはここが魅力じゃな。
MPCやsp404と根本的な違いは、単なるサンプラーではなく、内蔵シンセ音源を元にすることを考えられていることじゃ。
つまりはこれは、古くからのワークステーションシンセと同様じゃ。
ルーパー:8(使用するルーパー・トラック数に依存して変化)
ボーカル・テイク:16テイク(ボーカル・テイクのサイズに依存して変化)
これもまた魅力じゃの。
みんな大好きルーパーが、ひっそりと搭載されておる。
ヒップホップ機器?のような紹介をされておるが、師範としてはギターで曲作りをする人や、ビートボックス系の人に非常にマッチする機能じゃ。
トラック数7トラックおよび1ボーカル・トラック
セクション数16セクション
ボーカル・テイク16テイク
さて!問題がここじゃ!
Rolandお得意の、やれるのにやらない!機能制限がかかっておる。。。
トラック数7というのは非常に割り切られておる。
同時発音数128で、MIDI録音されるのじゃから、軽く10年以上前のシンセでも16トラックをMIDI録音するのは容易いことのはずじゃ。
この割り切りは、初心者や、ライトに曲作りをする者にとっては問題ないかもしれんが、
所謂、DAWの代わりにトラックメイクするには恐ろしく厳しいじゃろう。
恐らくRolandが想定する使い方はそうではないと思われる。
ポジティブに捉えれば、細かいことを考えずにザックリとビートを作ることに集中できる!細かいトラック分割はせず、ドラムはドラムで1トラック!パラアウトしない!
ということも言えるじゃろう。ここはsp404的な立場で考えれば、変な細かさよりも大きな流れで曲作りをできるのはメリットにもなり得るかもしれん。
しかしせめて16トラックは欲しかったと考えてしまう。。。
音色プリセット・トーン:3,000以上
プリセット・ドラム・キット:80以上
ユーザー・サンプル(トーン、ドラム・キットとして使用):SDカードからインポート
ルーパー・サンプル(ルーパー・トラックのクリップとして使用):SDカードからインポート、EXT INやトラックの録音
これは素晴らしい!マニアックな音源は省かれているようじゃが、integra-7に近いほどの音色数がこの小さなボディにプリロードされているというのは驚異的じゃ。
MIDI端子もあるため、コレを持ち運べば出先の鍵盤に繋いでスタジオやライブで活躍しそうじゃ。
(ただし今現在、残念ながら出先で使用というニーズがどのくらいあるかは疑問じゃが)
Rolandの、良くも悪くも古くからの音源資産がたっぷり入っておる。
馴染みがよく、悪目立ちせず、実際に使いやすい音色を、プラグインやらCPUやら考えずともバシバシ使用できるのが本気の魅力じゃろう。
※ユーザー・サンプルの合計最大時間:モノ12分、ステレオ6分(44.1kHz)
※ユーザー・サンプルに使用可能なオーディオ・フォーマット:WAV 32~96kHz/16ビット、24ビット(モノ、ステレオ)
※ルーパー・サンプルの合計最大時間:約60秒(44.1kHz)
※ルーパー・サンプルに使用可能なオーディオ・フォーマット:
WAV 32~96kHz/16ビット、24ビット、32ビット、32ビット浮動小数点(モノ、ステレオ)
その上で、期待してしまうのがサンプリング関係の利便性じゃ。
sp404はMPCよりも深く考えずサンプリングが出来、エフェクトでざっくりと音作りをしやすかったために人気になった。
この機種も、変にサンプリングデータをパッドに割り付けたり面倒な操作が不要であれば、新時代のsp404となるのではないかと楽しみにしておる。
ただ、説明書を読むに、やや操作のストレスがあるように予測されるので、ここは実機が届いて触ってみんと分からんところじゃ。
エフェクト
トラック・マルチエフェクト:90種類
トラック・EQ
コーラス・ディレイ:9種類
リバーブ:7種類
マスター・エフェクト:90種類
マスター・コンプレッサー
マスター・EQ
ステップ・シーケンサー最大ステップ数:128
※トーンまたはドラム・キットのトラックで使用可能ルーパータイム・ストレッチ、ピッチ・シフト対応
※ルーパー・トラックで使用可能
良くも悪くも昔ながらのMFXを基本としておる。
トラックごと、マスターにもそれぞれにMFXを使用できるのはFANTOM-Gあたり以降の流れじゃが、Rolandの気になる点は直列でエフェクトを刺せんようになったことじゃ。。
KORGなんぞは1トラックにエフェクトを集中できるが、やはりそれはしにくそうじゃ。
ここはやはりsp404的な発想で、エフェクトをかけてはリサンプリングしていけばエフェクト数は無限大じゃ。
この辺のハードウェアの癖や限界も、ハード愛のユーザーにとっては楽しみかもしれんの。
ディスプレイ16文字2行(バックライト付LCD)
さあ、今回一番の驚きポイントじゃ!
youtubeのコメント欄も、ディスプレイがやばい!カシオ(の電卓の)OEMか?!と言われるような
おおよそ2世代前の機材のディスプレイじゃ!
これは何とも。。。2021年に二行しかないディスプレイを採用するとは、ドM心をくすぐられる素晴らしい采配じゃろう。
もはやそう言うしかコメントが見つからん。これこそがこの機材の特色になるのかもしれん。
トラックメイクのハードウェアが、MPCliveしかり、MASCHINE plusしかり、大画面や高精細タッチパネルなどを搭載する昨今、
我々はたしかに大事なものを失ったのかもしれん。
音楽は耳で聞いてフィードバックを得て、創り出すものじゃと。
DAWや最新デジタル機材などは全て細かいエディットが視覚情報として得られるため、
人間はどうしてもパラメータのピッタリの数値や整合性の取れるエディットをしがちじゃ。
しかし二行ディスプレイは音色選択の際に凝視することになるじゃろうが、
やや老眼の入り始めた師範の目にはトラックメイク中に文字が見えることもないじゃろう。
つまり、ついに我々はもう一度音だけに頼って曲作りをするようになるのじゃ!
そうじゃ、屁理屈じゃな。
しかし、そのくらい楽しめる者にこそ、この機材はおススメできると思うておる。
外部メモリーSDカード(SDHC対応):プロジェクト・データ/オーディオ・データ保存用
接続端子PHONES端子:ステレオ標準タイプ、ステレオ・ミニ・タイプ
LINE OUT(L/MONO、R)端子:標準タイプ
MIC IN端子:XLRタイプ (ファンタム電源:+48V、最大10mA)
LINE IN(L/MONO、R)端子:標準タイプ
MIDI(IN、OUT1)端子
USB端子:USB Bタイプ(オーディオ、MIDI)
DC IN端子電源ACアダプター
USB端子より取得(USBバス電源)
ヘッドホン端子が大小あるのは親切じゃな。
欲を言えば今の時代、Bluetoothや無線のMIDIも載せて欲しかった。
いや、もちろん追加機材で対応出来るのじゃが、せっかくのコンパクトな機材にグサグサと変なもんを追加するのもスマートではないのでな。。。
あとは汎用モバイルバッテリーで駆動する。
これも内蔵バッテリーのMPCliveと比べるとやや面倒さはあるものの、いまUSB充電は至る所にある。
簡単に電源供給出来れば、電源オンまでのハードルが低くなり、機材を触る時間も増えそうじゃ。
消費電流2,000mA(ACアダプター使用時)
500mA(USBバス電源動作時)付属品「はじめにお読みください」チラシ
ACアダプター
SDカード(出荷時に本体装着済み)
SDカード・プロテクター
保証書
外形寸法/質量
幅(W)354 mm
奥行き(D)208 mm
高さ(H)60 mm
質量(ACアダプターを除く)1.165kg
サイズはMPC1000に近いくらいか。。。
しかし恐ろしく軽い。このあたりもsp404的なイメージを持っておる。
実機を触れんと分からんが、動画などを見る限りは、sp404よりはパッドがマシのようで安心をしておる。
KORGやRolandはパッドがポコポコでイマイチなのが多かったからな。。。
せめてelektron程度のパッド、出来ればAKAIからOEMを受けて欲しいほど、この機材にパッドの感覚は必要じゃ。
本体が軽すぎると、バシバシ叩いて安定するのか?心配するほどの軽さじゃ。
Roland MV-1 購入前レビューまとめ
正直言って、熱に浮かされて購入予約したのじゃが、トラック数も少なく、ディスプレイも期待できず、
これは大丈夫か?と心配することもあった。
しかしマニュアルを読むに自由度も高そうで、なによりも敷居が低い。
これは本当の意味で、初めて購入する機材にはピッタリじゃと思う。
どんな者も結局は音源と、オーディオ録音と、シーケンサーと、これが必要になる。
それらを全て、この小さなパッケージで低価格でまとめてきたのは素晴らしいと師範は考える。
もしいま見ている皆の者が学生で、お年玉やバイト代で真に買うべき機材を考えておるのなら。。
もし曲作りを目的とするのならば、とにかく一曲完成させてみたい!人に聞かせてみたい!というのならば
師範は強くおススメする。
結局のところ、DAWやMASCHINE、MPCは知識が要る。
リズムマシンだけでは録音もミックスダウンもできん。
おまけにボーカルエフェクトも欲しい。
そんな初心者の背中を押してあげたい。
ポイント還元など含めると税込実質六万円代でこの実力は、後悔せんと伝えたい。
もしここからステップアップしていくとしても、この機材に入っている音源は確実に資産となる。
或いは師範のような、曲作りをしていると言っても機材を並べて満足しがちな皆の者に、
改めてピュアな気持ちで音楽と向き合う機会を与えられるかもしれん。
ギター一本とMTRで、MPC1000とヴァイナルだけで、低価格なワークステーションシンセ一台だけで曲作りをしていたあの頃を。
音源追加など出来ない代わりに、全ての内蔵音色を記憶して本当に使いこなせる一台を大切にしていたあの頃を。
思い起こすには70000円は安いのではないじゃろうか。
少なくとも師範にはそうである。
到着したらまた改めて楽しみながら、愛をもって至らぬ点を指摘しながら、
レビューしたいと考えておる。
皆の者、刮目せよ!